Column

2021年12月10日
やっぱりはしっこが落ち着く。


こんにちは。

えー、今回はですね、
読者から頂きましたハガキを
紹介したいと思います。

2通いただきました。
LINEでもメールでもなく、
自筆の郵便ハガキです。

紹介せずにはいられません。

えー、まず1通目。
福岡県の匿名希望さんからのハガキです。

Uさん、こんにちは。

(はい、こんにちは)

毎回楽しく読ませて
いただいております。 

(ありがとうございます)
(ありがたいですね)

前回のコラム「戻りたい、戻れない」は
自虐ネタもあり、いつものUさん節で、
共感しながらも、何か少し引っ掛かるものがありました。

(え~どこだろう?)

全編にわたり雲り空に覆われた感じがして、
少し心配しながら読みました。

(ドキッ)

小さな悩みの向こう側に
あえて言葉にはしない悩みが
横たわっているような気がしたのです。
その後体調はいかがでしょうか?

(ドキッ、、、ジョーモン)

というハガキなんですけど、
こういう感想は嬉しいですね。

とても繊細で、
人の痛みがわかる方なのでしょう。

直接的な言葉はなくとも、
文体、行間に思いを巡らす
想像力の豊かさを感じます。
きっと若い頃に歌謡曲、
特に阿久悠氏の歌を
たくさん聞いてきた方だと推察します。

普段と変わらないテイストで
書いたつもりなんですけど、
言われてみれば、
少しだけマイナスなメンタルを
曝けたい、伝えたい、
そんな気持ちで書いたような気がします。
ちょっとしたカタルシス効果を
得たかったのでしょう。

ご心配なく。
代わり映えのしない日常を
過ごしていますので。

思春期のそれと同じで、
中年後期の多くの人が、
多かれ少なかれ抱えているものに過ぎず、
それが晩秋と相まって少しおセンチになり
行間に現れたのでしょう。

能天気でいるよりはマシだと思うので。

はい、次。
2通目のハガキにいきましょう。
川崎市のNさんから。

(おっ、私と同じ市ですね)

Uさん、こんばんは。

(はい、こんばんは)
(こちらの方は夜書いたんですね)

どうでもいい事なのですが、
(どうでもいい事、大歓迎ですから)
(打ち合わせ本題5分、戯言1時間ですから)

よく健康番組などで、
「1日1回、たったの3分」
「これだったら続けれらますよね」
という類の内容にとても興味が湧き、
実践してみるのですが、
ひとつとして三日も続きません。
一日、二日坊主ばかりです。

(わかるわ~)

長続きしているのは仕事だけです。
これは私に問題があるのでしょうか。

というハガキなんですが、
これは相談ということですかね。

私もこの方とまったく同じです。
他人とは思えないですね。

あれでしょ。
痩せるとか、血圧下がるとか、
頭皮にいいとか、
という類ですよね。

私もせっかちですから、
1回で効果出ないとやめるタイプです。

血圧系のドリンクとかも1本飲んで、
翌日下がってなかったら即ヤメです。

なぜ、継続できないのか。

簡単です。
ストレスを感じるからです。

それがどれだけ簡単で
ほんの数分だとしても、
面倒を感じた時点で
ストレスが生じますからね。

健康を促す行動や食事というのは
概ねストレスを感じるのです。

一方で不健康なものは、
やめられないのです。

食事もそうです。お酒もタバコも。
減塩の味噌汁、ノンオイルのドレッシング
美味しいですか?
甘くないスイーツ美味しいですか?

「長続きしているのは仕事だけ」
とのことですが、
十分じゃないでしょうか。
ほとんどの人がそれで精一杯ですよ。

仕事や人間関係、普段の家事でさえ、
相当なストレスがかかっているのですから、
あえてそれ以上のストレスを
与えなくてもいいのかな、、
それが私見です。

まったくもってやめられない人間の
言い訳ですが、
それほど自分を責める必要はないでしょう。

ただ、続かないことを
正当化するのは厳禁です。
ストイックに継続ができて
しっかり結果を出す人への
リスペクトだけは忘れずに。

ということで
もう二度とないでしょうが、
またハガキがきましたら
ご紹介したいと思います。


今月のオススメ映画コーナー。

今回のオススメは
「アルプススタンドのはしの方」。

久しぶりの邦画です。
ジャンルとしては青春映画なのかな。

賛否が分かれる映画かもしれません。
映画と言える代物ではないと
切り捨てる人もいるかもしれませんが、
私としてはかなりオススメです。

設定が秀逸です。
高校野球、夏の甲子園大会一回戦の応援に
ほぼ強制的に参加させられた高校生4人が
文字通りアルプススタンド(応援席)の
端の方で繰り広げる会話劇。
エキストラ以外、ほぼこの4人しか
出てきません。

ユニフォーム姿の高校球児も監督も
劇中、映像としては一切出てきません。
派手な応援団やチアガールの
話でもありません。

学校ではヒエラルキーの
真ん中(上位)ではない4人。
「やっぱりはしっこが落ち着くよね」
という4人。

この4人も愛おしいのですが、
4人の会話の中にしか出てこない人たちにさえ
たっぷり感情移入してしまう設定なんです。
どちらが主役かわからなくなるくらいに。

私の情緒が不安定なのか、
本当に泣ける作品なのかわかりませんが、
最後は涙が止まりませんでしたね。

低予算で超B級感を全編に醸していて、
緩くてダサくもあるのですが、
最後はホント泣けます。
(それが制作側の狙いなんでしょうけど)

甲子園球場という設定ですが、
ロケがさびれた地方球場なので、
「ここは甲子園」という思い込みと
イマジネーションが求められます
ご承知おきを。

見られる側ではなく
見る側への感情移入。
たっぷりなカタルシス。

特に部活などを通じて、
人と張り合ってきた人
張り合うことに疲れを感じている人には
オススメです。

私も某Kバンドのコンサートの時、
観客を見るのが好きでした。
一緒に歌っている人、じっと聞いている人、
笑顔の人、泣いている人、
感動の表現はバラバラです。
それぞれの思いと立場で
ここに来ているんだなと
思いを馳せ、勝手に感動していたものです。


ではでは。