2021年5月8日
熱闘!代々木第二体育館
中三高 VS 春一番高(第十三話)
第十三話の前に。
ガムについて。
“愛はかげろう”のガムじゃなくて
噛むガムの方です。
ガムも最近は脳を活性化するとか、
リラックス効果があるとか、
唾液を促して口内を清潔に保つとか、
もう子供のおやつの域、超えています。
さらに、ノンシュガーや
ビタミン配合など、もはや健康食品。
その昔はかなりの「悪物」扱いでした。
今のタバコ並みかそれ以上に。
虫歯になるとかいう健康面以上に
マナーの面で特にね。
最近はプロ野球選手やJリーガーでも、
試合中ガムを噛んでいる
選手をちょくちょく見かけますが、
昭和おじさんからすると、
相当に印象悪いです。
感覚的には授業中や打ち合わせ中に
ガム噛んでいるのと同じです。
試合中、仕事中、授業中に限らず、
オフタイムでも人と対面する時は
ガムなんて噛みませんでしたよ。
相手が親しい友人だとしてもね。
対面でガム噛んでる人って
ヤンキーくらいでした。
今でも常識ある人は、
対面中にガムなど
噛まないでしょうけど。
ところで九電(九州電力)では、
仕事中にガムを噛んでいるのが
見つかると
「罰金」らしいです。
その制度の名が中々、粋なんです。
「バッキンガム宮殿」。♡🏰♡🏰♡🏰
ということで
中三高 VS 春一番高、第十三話です。
次のプレーでも、中三高校はオールコートプレスの網にかかりターンオーバー。48-44。3連続ゴールを奪われた。たまらず中三高校はタイムアウトをとった。
「なぜそんなに浮き足立つ。相手は控え選手だぞ。これまでにもあの程度のプレスは受けてきただろう。それともディフェンスを振り切ってパスをもらえないほど、足が動かないのか。」
阿久は爆発しそうな怒りを必死に抑えながら言った。
「すみません」
桜田が小さく返事をした。
「動きに緩急をつけて、先に先に動き出せ。必ずオフェンス側が一人余っている状態であることを忘れるな。あのプレスはあとワンプレーしか続かない」
タイムアウトで落ち着きを取り戻した中三高校は、フロントコートまでボールを運んだ。阿久の言ったとおり、春一番高校のプレスも交代当初の当たりのレベルを100とすれば、70くらいまでに落ちてきた。
一度プレーが落ち着けば、相手は全員が高さも戦術もない控え選手だ。森→山口→石川→倉田とパスをまわし、ゴールを返した。
後半も残り4分。
ここで春一番高校が2度目のタイムアウトをとった。
森田はトップギャランを見事に遂行して逆転劇を演じた控えの5人をねぎらった。怪我の巧妙とはまさにこのことだ。そして、
「スターターの5人、イケるか!」
とベンチを振り返った。
「はい」
伊藤、田中、藤村、岡田、清水の5人は迷わず同時に返事を返した。
「残り4分だ。言うまでもない。集大成のつもりで全力で行け」
中三高校ベンチ。
「春一番は全とっかえで、またスターター5人に戻る。ガラッと変わる戦術の変更に戸惑うな。相手がどうのこうのじゃない。残り4分、悔いのないよう自分たちのバスケしろ。」
両監督は先ほどまでとはうって変わり、冷静に選手を送り出した。
ゴールが見えてきたことにより、両選手とも体力的に厳しい時間帯はすぎた。緊張感と研ぎ澄まされた集中力がプレーレベルをワンランク引き上げた。両チームとも放つシュートが落ちることなく得点を交互に積み上げ、残り1分半を切ったところで、春一番60-中三58。
いよいよ激闘決着の刻が近づいてきた。
つづく。