Column

2018年8月22日 「そうだ 甲子園、行こう。」

去りゆく夏…。

もう、とっとと去ってくれ!って感じ。
来年以降、来ないでください。
(夏好きの人には申し訳ない)

この夏は、8月11日から19日まで9連休。
久しぶりに長い休暇をいただくことに。

本当はもっと過ごしやすい時期に休みたいけど
誰からもお咎めなく休めるのは、
お盆時期だけなので。

昨年、カミさんの実家(長崎)で不幸が相次いだため、
今年は初盆ということもあり長崎へ。

ところがモタモタしていたら飛行機が取れず、陸路での移動。
陸路だと川崎の自宅からカミさんの実家まで、
トータル9時間もかかる。

かなりきついので、途中どこかで観光しようかと思案。

名古屋、大阪、博多は何度か行ったことがあるし、
行ったことのない岡山、広島は豪雨被害が大きく復興中。

う〜ん。

そうだ、甲子園、行こう。

甲子園(高校野球)大好き少年だったことは、
去年のコラムに書いた通り。

一度くらい生で見てもいいかな、
ということで12日9時、
新横浜発の新幹線で新神戸へ。

車内で甲子園の状況をスマホでチェック。
するとなんと、早朝6時半には満員札止め。

まあ、いい。

入れなくても蔦の絡まる球場外観をバックに
写真でも撮って帰れば記念になるだろう。

新神戸についてまずホテルにチェックイン。
テレビをつけるとその日の第3試合
「星稜対済美」の試合が始まっていた。
1回から星稜が大量得点。
ワンサイドゲームの気配(奇跡の前兆)。

ひと休みだけしてすぐにホテルを出て、三宮駅へ。
切符売り場には
「甲子園球場は満席のため入場できません」の案内板。

こりゃ無理だな…。

とにかく記念撮影だけでも、
と球場まで行くことに。

三宮から20分弱。甲子園駅に到着。

正直、高校野球ファンではあるけど、
これまで生で見たいという欲求もなかったどころか
観戦している人に対して「この暑い中、ご苦労なこと」と、
冷めていたところもあった。

なのに…。

球場が視界に入ってきた途端、
胸がざわつき高揚感が抑えられず、
急ぎ足になる私。

そんな私の耳に、奇跡のようなアナウンスが届く。

「外野席のみ再販売を開始しました」

ダッシュしたい気持ちを抑えて、
競歩で切符売り場へ。
昨年まで外野席は無料だったが
今年から500円になったとのこと。
この際、有料無料など関係ない。

入場券が購入できたところで、
改めて冷静に球場外観を仰ぎ見る。

ん?

何か想像していたイメージと違う。
鬱蒼と球場外壁を覆っているはずの蔦がショボい。
特に壁の上部は蔦がない。
枯れたか?はげたか?↓



地(壁面)が見えてるよ。
自分の頭髪の方がまだマシだ。

何年か前にリニューアルで一度全部取っ払ったとのこと。
グングン成長中で、数年もしたらまた壁面全体を覆うらしい。
(私の頭髪もあやかりたい)

ともあれ無事に入場。
ほぼ満席の中、かろうじて空席を見つけて腰を下ろした。

このへん↓



レフトスタンドのポール際。
3塁側アルプススタンドの近くで、
中々いい席でしょ。

まずはアルプスの応援風景を肴にビールでも飲もうと。

下世話というか俗な話だけど、
球場で飲むビールは、
当然のように売り子の女の子から買っちゃうんだな。

たいていの男性陣は、あの子たちの溢れる笑顔で
ビールを渡されたら、ノックアウトされる。

700円とホテルのラウンジ並みに高いけど、
400円はチップのようなもの。
間違いなく可愛くて愛嬌のある子の方が売れる。
私も含め、ビールの銘柄ではなく、
売り子の容姿で選んでいるから。

仮に私が売ったら1杯も売れないだろうな。
それどころか「おっさん邪魔だよ。見えねえよ!」と
罵声を浴びせられるだろう。

売れるとしたら
よほどゲテモノ好きの中年マダムぐらいかな。


この日は3つの奇跡があってね。
まず、私が入場できたこと。
2つ目が、最高気温30度の曇り空で、
浜風も吹き、とても過ごしやすかったこと。
入場できても、猛暑だったら
30分くらいで帰ろうと思っていたから。

そして、3つ目の奇跡を目の当たりすることになる。

席に着いた時点で、
星稜対済美の試合は7回まで進んでいて
スコアは7-1で星稜リード。

試合はワンサイドだし、この後の第4試合も
慶応対高知商業とそれほど好カードではないことも
外野席再販売の理由だったのかな。

テレビでしか見たことない
アルプススタンドの応援風景を間近で見ているのに
何か映像を見ているような感覚になる。
実感がないというかね。
それだけ自分のテンションが上がってたんだろうね。

済美のアルプス側だったんだけど、
愛媛から駆けつけたであろう人たちの
あの超前がかりに応援している姿を見ていたら、
ウルウルしちゃってね。
ホント最近は涙腺がゆるくて困る。
外野席でビール飲みながら泣いているおっさん
キモイ!

球児と一緒に青春している前がかりな応援↓



さてさて。
ご存知の方も多いだろうけど、
この試合は、この大会最も劇的な試合に。

済美が8回に6点差を逆転、
9回に星稜が同点に追いつき、タイブレークへ。
そして、13回裏に史上初の逆転サヨナラ満塁ホームラン。

どちらを応援していたわけではないけど、
またしても涙腺崩壊。もう大崩壊。

熱闘甲子園じゃないけど、
あのホームランの時、
飛球がライトポールに当たるまでの数秒間、
静寂に包まれたような感覚に。

あの場面、星稜のピッチャーは左投げで、
済美のバッターは小柄な左バッター。
しかも、風はライトからレフトへの浜風(逆風)が吹いていたから、
ライトへのホームランは99.9%ないと思って見ていた分、
なおさら興奮度MAX状態。

劇的な結末にいつまでも球場全体のざわつきが収まらないまま
第4試合が始まった。

我が地元神奈川代表の慶応は守備の乱れで自滅。
一方的な試合に。
さすがに2試合続けて大逆転はないだろうし、
硬いベンチでお尻も痛くなってきたので、
混雑を避けて6回途中で球場を後に。

日本の夏の文化をたっぷり堪能。
たった500円でいいものを見せてもらったなぁ

慶応の大応援団は圧巻↓



ナイターまで見れるというおまけ付き↓



次回は、長崎の精霊流しの話でも。

ではでは。