Column

2018年6月27日 ヒロインのままで。見事な引き際。

先日、WOWOWで安室奈美恵ファイナルツアーを視聴。

視聴しながら感じたのは、
彼女が下した「引退」は「英断」だったなということ。

大学生の息子さんがいるというのに、
二十歳そこそこのお嬢さんにしか見えない。

スタイルも抜群で、シワもシミもない。
顔なんか私のゲンコツくらいの大きさしかない、
お人形さんのような容姿。

たえずキレキレのダンスをしながら
息切れすることなく30曲歌いきれる体力。

どれだけストイックな生活をしているのかと、
もう感心しまくりちよこ。

彼女も人生色々あったからね。

でもね、どうしたってこの先、
容姿も声帯も体力も体のキレも
劣化していくのは避けれらないわけで。

ゼエゼエしながらステージをこなしている姿を
見せたくはないし、ファンも見たくはないでしょう。

彼女がこのタイミングを引き際として選んだのは、本当に賢明。

ところで、彼女がミリオンを連発し、社会現象を起こしていた頃、
私はすでに社会人だったので、さほどの関心を示す機会もなく、
曲も数曲、サビくらい聞いたことがあるかな〜程度。

ただ勤務地の渋谷で、日々無数のアムラーを目にしていた。
その後、幾つかの「○○ラー」現象が起きたけど、
本当の意味で社会現象を起こしたのは彼女だけじゃないかな。

スタイルを真似るという意味では、
1980年代前半の「聖子ちゃんカット」も凄まじかったな。
印象としては若い女性全員「聖子ちゃんカット」だったから。
今思えば、異様な光景だったろうね。
(すみません。どうしても一つは世代ネタに触れないと気が済まないもので)


とういうことで、今回WOWOWで改めてというか、
初めてしっかりと腰をすえて
安室奈美恵というアーティストを見たんだけど、
特別に綺麗な顔立ちじゃないんだよね。

やはりニュアンスでいうと「姫様」というより「お人形さん」。
どちらかというと愛嬌のある顔立ち。
そこが魅力でもあるし、老け顔にならない要因な気もする。

キャンディーズのランちゃんもそうだったけど、
やたら美人なだけでは人気でないんだよね。
少しだけ突っ込みどころのある愛嬌のある顔立ちの方が、
人気も出るし、その人気が長続きするもの。

豪華なステージセットに、
一糸乱れぬダンスと照明。
見事なライブなんだけど、番組視聴中、
ちょっとした違和感をずっと感じていたんだよね。


バンドがいない。

生演奏なしのライブか〜。
少しだけ迫力に欠けているように感じたのはそのせいかな。

ダンスも照明も緻密にデザイン、プログラムされているから
仕方ないかもしれないけど、
やっぱりライブは生演奏じゃないと物足りないかな。

多分、そう思っているファンも少なくないのでは。
純粋に安室奈美恵の歌と声を聴きたい人の方も多いと思う。

生バンドにすれば、
ダンスもステージセットも照明も大型モニターのCGも
あそこまで豪華絢爛にしなくても盛り上がるんじゃないかな。

あまりにも完璧にショーアップされすぎていて、
ちょっと情感に乏しいというか、
無機質に感じてしまったのが残念なところ。

何れにしても時代を彩り、駆け抜けてきたヒロインのままの見事の引き際。
アーティストに限らず引き際は大事だよね。

ボロボロ、ズタズタになるまで続けるのも美学かもしれないけど、
周りに必要とされていない、周りの足を引っ張っている、
周りの手を煩わせていると感じたら、
あまり「すがりつくことなく、潔く」が理想かな。

オチが思いつかないので、今回はこのへんで。

ではでは。